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Palestine
2003
「テロリストの国へようこそ!」
パレスチナ自治区で、僕を受け入れてくれた彼らに言われた。
僕は思い知らされた。世界が彼らをどのように見ているのかを。そしてわずかでも自分自身の中にそんな気持ちがあったことを。
実際に出会った彼らは、気さくで温和だった。とてもイメージするテロリストとはかけ離れていた。僕は信じられなかった。しかし現実に、パレスチナ人によるテロ行為は存在する。
それでも毎日、イスラエル軍の進攻に脅えながら、彼らといっしょに過ごす時間が長くなっていくうちにひとつの感情が存在していることに気づいた。
ある日、彼らの家に招待され、みんなで食事をした。
その場は盛り上がり、それを楽しんでいる僕に一人のパレスチナ人が告白した。 br>「明日、体に爆弾をつけてイスラエルに飛び込むんだ…。」
僕よりはるかに年下の彼は笑顔だった。
最初の頃なら「それは間違ってる!やめろよ!」と全否定出来たはずだったが、その時、僕は何も言えなかった。
「こうして彼らといる時間を大切にしたい。」
そんな気持ちだけでいっぱいだった。