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Congo
2010 忘れ去られた国 ~コンゴ内戦と難民の現在(いま)~
コンゴ民主共和国(旧ザイール)の戦乱は、第2次世界大戦以降、史上最悪の内戦と呼ばれている。
その犠牲者の数、強奪、レイプ、虐殺などの非人道的な被害、難民の飢餓状態など、負の歴史を背負った国である。
そして、今現在にいたっても、キブ州を含む東部では、戦闘と貧困によって死者や難民が大量に発生し続けている。にもかかわらず、世界は、この国を見捨てたと言えるほど、問題は解決されないままでいる。日本のメディアもその例外ではなく、完全に無視している状態にある。
経済の成長とグローバル化は、何十億という人びとの生活水準を向上させた。それでも、地球上のすべての人が富を享受しているわけではない。
グローバリゼーションとは、地球規模で公正さが実現することを意味するはずだ。人間には、苦しんでいる人を助けようとする本能がある。2004年にインド洋沿岸を襲った津波をはじめ、世界各地で起こる天災や災害において人々はその本能を発揮した。過去に例を見ない強い地震や洪水が、世界中に混乱を引きおこした。何十万人以上の生命を奪った。それはまるでドラマのような恐怖の場面であり、世界中の人びとがかつてない規模で募金に応じた。
コンゴでは、病気と飢えという死の津波や洪水が毎月のように起こっている。この波はひそやかに国を飲みこみ、テレビのニュースでもほとんど取りあげられない。犠牲者はみすぼらしい家のなかで、誰にも見られることなく静かに息を引きとる。だがその数は、インド洋の津波と変わらない。