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Somalia
2006
東アフリカ ソマリア。1991年に独裁体制が倒れて以来、全土を実質的に支配する政府が存在しない状態が続いている。地元部族を中心とした武装勢力との衝突が続く中、1993年、米平和維持部隊のヘリコプター「ブラックホーク」が撃ち落とされ、米軍と国連は平和維持軍を完全撤退させ、治安回復を目指す動きは放棄された。
世界に見放されて10年以上経ち、首都モガディシオの街並は廃墟と化している。銃撃でボロボロになった建物が並び、穴だらけの道路には、ゴミや汚水が溢れ、鼻を衝く臭いが町を包んでいた。いたるところに銃が溢れ、「テクニカル」と呼ばれる銃機関銃を乗せた武装車両が走り回っている。
モガディシオを含め、今、ソマリアで外国治安維持軍、国連関係者、国際NGOの姿を見ることはない。何者であれ外国人は、拉致され殺される。僕がモガディシオに入る1週間前に唯一いたスウェーデン人ジャーナリストが殺された。